洗濯機と冷蔵庫は大きければ大きい程良い。とよく言われます。
その通りで、置き場所さえ問題が無ければ、洗濯機は洗濯容量が大きなものがオススメです。
サイズとしては、一般的に洗濯容量が4.2kg~10kg超がラインナップされています。
4.2kgで一人暮らし。
6kg~二人暮らし。
7kg~3人以上というイメージですが、大は小を兼ねます。
しかも、大きな洗濯槽の方が、大きな水流で洗えるため、洗浄力も高くなります。
気になる水道代ですが、現在の機種は、洗濯物の重さで使用水量を調整しますので、水の無駄使いも気にする程はありません。
それでは、まず、洗濯方式の違いを理解していきましょう。
ドラム式洗濯機
日本市場では、Panasonicの斜めドラムの発売から、一般市場で市民権を得た洗濯機方式になります。
ドラム式がいち早く普及したのは欧州や米国。
これらは、カルシウムやマグネシウムが多い硬水が多い地域です。
硬水のままでは洗濯に不向きなので、薬剤を使って軟水化したり水の温度を上げたりと苦労が絶えなかったようです。
そのような事情があり、水量を抑えることの出来るドラム式が急速に普及したと言われています。
水量を抑えることが出来れば、使用する薬剤量を減らしたり、温水にするためのヒーター出力を抑えることが出来るわけです。
■ドラム式のメリット
・使用水量を抑えることが出来る
・乾燥機能では特に有利
・洗濯物が回っているのが良く見えて楽しい
洗濯物を上に持ち上げて、下に落とすことが出来るドラム式の構造は、乾燥時に真価を発揮します。
■デメリット
・設置場所を選ぶほど大きい
・値段が高いモデルが多い
日本でも、コインランドリーは、ほぼドラム式ですよね。
お客を回転させたい業務用機器は、必然的に乾燥能力の高いドラム式を利用するというわけです。
縦型洗濯機
業界用語:縦洗(タテセン)
日本の最新式洗濯機といえば、この方式だったのですが、現在の各社ハイエンドゾーンは、ドラム式に占有されています。
しかし、縦型洗濯機が日本市場で育っていったことには、日本の環境が大きく影響しているのです。
日本という国は、水が豊富な上に、洗濯に向いた軟水が主な地域です。
むか~し、むかし、おばあさんは川へ洗濯へ…
の延長線として、家庭でたっぷりと水を使って、真っ白に洗濯しよう!
という目的の洗濯機が縦型洗濯機となります。
箱に洗濯槽を入れて、モーターで回す。という構造もシンプルなので、価格も抑えることが出来るわけです。
■縦型洗濯機のメリット
・比較的安いモデルが多い
・安定して高い洗浄力
■縦型洗濯機のデメリット
・ドラム式より水を使用する
・乾燥には不向きな形状(乾燥機能付きモデル)
二槽式洗濯機
業界用語:二槽洗(ニソウセン)
30年くらい前は、結構見かけた方式です。
洗濯槽と脱水槽が別れている上に、洗濯時間などを半マニュアルのように設定出来ることが魅力です。
手洗いの延長のような優しい洗濯から、汚れの程度に合わせて調整出来るため、部活動の泥汚れや、業務用の洗濯時にも真価を発揮します。
サイズ的にも奥行きが比較的短く長細い形は、ちょっとした所に設置可能です。
洗浄能力の差は???
洗濯物の汚れを落とす能力と、洗濯物へのダメージは比例します。
言われてみれば当然なのですが、あまり気付かれていない事実です。
そして、洗濯機の洗い方は、色々な方式の複合技となります。
ドラム式の中で、洗濯物は上まで運ばれて落ちてきます。
これが「たたき洗い」であり、ドラム式の主な洗い方です。
一方、縦型洗濯機では、洗濯物同士が水流の中で絡み合っています。
これが、縦洗の主な洗い方の「もみ洗い」です。
一般的には、使用水量が多い縦型洗濯機の方が、単純な洗浄力では有利と言われています。
ただし、洗濯では使用する洗剤も重要ですし、何を洗うかも大切な要件のため、一概にこの方式の洗浄力が強い。とは明言出来ません。
日本メーカー製品は、お互いにライバル機種の洗浄テストを行った上で、製品開発を行なっていますので、特に洗浄力の差は気にしなくていいと思います。
乾燥機能について
洗濯機には、乾燥機能が無いモデルもたくさんありますが、ミドルクラス以上になると、ヒーターを使用する一般的な温風乾燥機能が付いているものが多くなってきます。
そして、謎の「風乾燥」機能を搭載した機種もあります。
これは、洗濯槽が回転する際の風を使用するものになります。
ジャージなどの化学繊維には効果が高いと言われていますが、個人的には脱水の延長と捉えている機能です。あまり期待はしない方が良いと思います。
単純な乾燥能力比較では、構造的にドラム式燥が圧倒的にオススメです。
洗濯物を暖かい空気に多く触れさせることで、効率的に乾燥出来る訳です。
一方、縦型洗濯乾燥機は構造的に乾燥が不得意です。
洗濯槽が縦ですから、濡れた衣類を重力に逆らって持ち上げることは困難な訳です。
したがって、洗濯物を干すことが禁止されている高層マンションなどでは、乾燥機能を多用することになりますから、ドラム式洗濯乾燥機がオススメとなります。
伏兵ですが、最強といわれる乾燥方式は、『ガス式乾燥機』になります。
洗濯機能無しの単機能乾燥機になりますが、ガス配管と排気設備が必要なため、新築や大規模リフォームでないと、購入を躊躇する方式になります。
このように、設置ハードルが高いため、価格競争が起こりにくく高いという問題も普及を阻害する大きな要因となっています。
乾燥時の除湿機能について
洗濯して濡れた洗濯物を一から乾燥させる洗濯乾燥機。
この時の水分は、一体どこに行くのでしょうか?
単に温風を当てて乾燥させると、部屋が湿気で大変なことになってしまいます。
そこで、乾燥機能が付いた機種は通常、除湿機能を持っています。
一般的なものは水冷除湿と呼ばれる方式になります。
これは、乾燥運転中に水道水をチョロチョロと流して、乾燥機内の暖かい空気を結露させて排水する除湿機能です。
なお、高級機ではヒートポンプ方式が出ています。
除湿機能も優れている上に、熱効率も良いため、ランニングコストも安くエコな洗濯機方式ですが、洗濯機自体が高額になります。
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