#10 炊飯器の選び方

調理家電

はじめちょろちょろなかぱっぱ…

誰があんなに硬いお米をわざわざ炊いて食べようと思ったのでしょうか?

しかも水を引いて水田を作って連作する…

先人たちの知恵には脱帽です。

そんな日本人の魂とも言える「お米」を簡単に美味しく炊ける素敵な調理家電が炊飯器です。

しかし、いざ探してみると、各社で、圧力炊きや、土鍋釜・炭釜など、多種多様な違いもあり、値段もピンキリなので、決めるのに悩んでしまう家電でもあります。

炊飯器といえば『動物』!?

この分野で昔から強い勢力を持つのは、どうぶつの名を冠した二社。

タイガーと象印です。

炊飯器の系譜は、保温専用器から進化してきているので、保温器である魔法瓶メーカーであったこの二社がシェアを大きく持ってきており、歴史的に強いようです。

確かに、私の世代(ロスジェネ世代)位までは、炊飯器はタイガーか象印にしておけば、間違いないでしょう!!という根拠のない感覚があると思います。

これは、シェアを大きく持っていて、使用者が不満を感じていなかったことに由来していると思われますが、昨今は日本家電界のマーケティング王であるパナソニックが猛烈に追い上げている模様です。

炊飯器の種類を知る

種類って電気炊飯器でしょう?と思われる方も多いと思いますが、電気は電気でも方式が異なるものが出回っています。

一方、飲食店などの業務用はガス直結式が多いですね。

炊飯量が多いので、ガスの大火力で直火炊きした方がコスパが良いわけです。

①マイコン炊飯器

昔ながらの炊飯器で、お釜の下にあるヒーターによる加熱でお米を炊きます。

加熱パワーの問題で、大量炊飯は苦手で少量炊飯が得意です。

そのため、主に3合炊きまでの少量炊飯用のものが製造されています。

価格も安価なものが多く、一人暮らしや二人暮らしに丁度いいタイプの炊飯器です。

一方、彼のピッコロ大魔王が封印されていたのは、電子ジャーというご飯の保温専用器です。

昔は、お米を「炊飯器」で炊いて、電子ジャーや保温ジャーと呼ばれた保温専用器で保温していました。

しかし、炊飯器への保温機能搭載が一般化してからは、名称の区別は曖昧になり、炊飯器のことを電子ジャーと呼ぶこともあったようです。

②IH(アイエッチ)炊飯器

IHとは、Induction Heatingの略で、電磁誘導加熱のことで、IHコンロの「IH」と同じものです。

電磁誘導加熱というと未来の装置のようですが、磁力発生コイルから発生した磁力線が、鍋などの調理器具自体を発熱させるという歴史ある仕組みです。

IH炊飯器の場合は、IHがお釜の周りをグルッと囲んだように配置されており、効率よく釜を発熱させます。

主流は5合炊きタイプですが、大抵は一升炊きタイプもラインナップされています。

ウチの内釜は違うんだYO!というお話

これまで、IHやマイコンというお釜へ熱を加える装置の説明をしてきましたが、これらは熱源であり、昔の環境でいえば、かまどの火の部分です。

IHの場合は、釜自体を発熱させる仕組みのため、内釜の素材・熱伝導率は、炊き上がりに大きく影響します。

また、炊飯器の外側の形状は、工場で製造する際の金型から新規で設計するとコストが大きくかかるため、簡単に変更出来ません。

そのため、ラインナップで差を付ける際に、各社が創意工夫をしやすいのも内釜となります。

メーカーにより色々出ているので迷ってしまいますが、量販店で試食イベントでもやっていない限り、実際に試すことは出来ません。

そんなに違うのでしょうか??

元も子もない話…

先述したように、大家族や二世帯家族でない限り、ご家庭で炊飯器の食べ比べが出来る機会はほとんどありません。

では、実際に食べ比べてみるとどうなのでしょうか???

15年位前でしょうか?

私がプレゼンをした大手量販店社員向け勉強会でこんな事がありました。

12,000円くらいの廉価機と、60,000円くらいの高級機の食べ比べです。

機種を教えずにどっちが美味しいですか~???と無邪気に問いかける私。

結果は想定外の半数近くが廉価機に挙手…

プレゼンで結果を相手任せにする恐ろしさを学んだ貴重な体験でもありました。

何故こんな悲しい結果になってのでしょうか?

高級機というものは、基本的にふっくらもちもちに炊くことを目標にしています。

一般的にそれが美味しい『御飯』とされているからです。

一方、廉価機は高級機に比べれば、炊きが弱い分、硬めに仕上がったことで、噛み応えがあり、若者には受けたと予想出来ます。

まぁ、結果の通りで、廉価機でも十分美味しいですよ。という訳であります。

タイガー IH炊飯器 5.5合 JKT-P100TK ダークブラウン タイガー魔法瓶 炊飯ジャー 炊きたて IH 炊飯器

あんまり知られていない内釜の交換について

内釜の中で洗米を続けていると、コーティングが剥げてくることがあります。

この剥がれたコーティング素材は何処へ行ったのでしょうか?

無害ですよ。と言われても嫌ですよね。

そんな時は、結構なお値段にはなりますが、内釜のみを買い替えするのも良いと思います。

普通の機種で1~2万円くらいです。

部品として設定されていますので、炊飯器の型式で調べれば対応部品を見つけることが出来ます。

ちなみに電気釜のメーカー部品保管期間は6年間。

きちんとザルで洗米すれば、コーティングは長持ちするのでしょうが、面倒ですよね…

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