もうエアコン無しでは生きていけない…
子供の頃は、無いのが当たり前だったんですがね。
筆者は、フィリピンに長期滞在していた際に、あることに気付きました。
フィリピン人達は、昼間には外出を伴う行動をせず、涼しくなる夕方から動き始めていました。
わざわざ暑くて危険な昼は、オフィスや家の中で涼しく過ごしている訳です。
自然のサイクルに合わせて活動しているので、日本のように気候状況を無視して運動会をさせて、熱中症で倒れる…なんて人はいないようなのです。
日本人ってひょっとして…とちょっと考えてしまう気付きでした。
そもそも『エアコン』って何??
エアーコンディショナーの略です。
昔は、クーラーと呼ばれていました。
若い子たちは、クーラーの存在を知りませんから、エアコンをクーラーと呼ばないようご注意下さい。
その名の通り、昔のエアコンは冷却機能しかなかったためです。
現在は、暖房機能も進化して、エアコンのみで温度管理をおこなう家も増えました。
これは、建築技術の向上により、住居の気密性(空気が漏れない性能)が上がったことも大きく影響しています。
まずは再熱除湿付きかどうかを決める
エアコンの価格はピンキリです。
数万円で標準工事付きのものから、数十万円のものまであります。
しかも対応畳数(広さ)は同じです。
これは、省エネ性能や付加機能の差なのですが、まず注目すべき機能が、「再熱除湿」になります。
この機能がある機種から価格がグッと上がって来るからです。
それでは、再熱除湿とはどのような機能なのでしょうか?
エアコンで冷房をかけると室外機から水が出ます。
空気が冷えて熱交換器に結露が出来た訳です。
この原理を利用して、室内の空気に含まれる水分を室外へ放出するのが除湿機能になります。
安価な普及タイプの機種は、基本的にこの方式である「弱冷房除湿」で湿度を下げていくため、除湿運転で寒くなる訳です。
一方、この除湿運転で冷えた空気を暖めてから部屋へ戻す機能が再熱除湿になります。
日本の梅雨のように、微妙な気温・室温で暑くはないけれども不快な湿度だけ下げたい…
というニーズに応えてくれる素敵な機能なのですが、梅雨の一時期のために結構な価格アップとなってしまうため、多くのご家庭で悩むポイントとなります。
量販店の店員さんは、ここが腕の見せ所です。
何とか一つでもランクが高い機種を売り込まないとなりません。
その人が次回、エアコンを買うのは10年後なのですから。
筆者自身は、リビングや寝室など生活時間が多い空間には、再熱除湿付き以上を推奨します。
客間やあまり使わない場所には、弱冷房除湿の普及機で十分であると思います。
対応畳数にあったパワーで選ぶ
エアコンの冷暖房能力は、kw(キロワット)という数値で表示されています。
100Vタイプが、2.2kw、2.5kw、2.8kw、3.6kw、4.0kw。
基本的に200Vタイプは4.0kw以上の12~14畳以上用となっています。
また、対応する広さは、冷房能力の方が広く、暖房能力の方が狭くなります。
ですから、暖房もエアコンのみで済ませたい場合は、こちらの対応サイズに合わせて選択する必要があります。
ここら辺は、少しでも能力が高い部分をアピールしたいメーカーの思惑が、我々消費者を困惑させている良い例といえます。
また、使用する建築物の構造や気密性も把握しておく必要があります。
隙間風が吹くような木造建築物と、鉄筋コンクリート造では、気密性・断熱性が異なるため、対応サイズは、あくまで参考値として考える必要があります。
例えば、日当たりの良い2階以上で、断熱性能や気密性が低い場合などでは、6畳間でも2.2kwでは冷やしきれないことが多々あります。
一方、断熱性能の高い住宅では、12畳くらいを2.2kwタイプで冷やせてしまうこともあるのです。
気密性・断熱性が高い住宅では、スペック通り鉄筋の畳数めやすで選択し、木造などの場合は、めやすより上の機種にしておくのが無難です。
また、窓に遮熱の工夫をしたりすることで、冷暖房を効率化することが出来ます。
電気代にも直結しますので、遮熱カーテンや遮熱ブラインドは多少高くても使用することをお薦めします。
ケチではありません。それがエコなのです。
100Vと200V???
100Vと200Vの違いは電圧の違いで、200Vの方がよりパワフルに電気を使えます。
しかし、12~14畳用の4.0kwタイプのエアコンでは、100Vと200Vタイプを選べる機種があります。
店員さんに聞いてみると、ほぼ200Vタイプを勧めてくることでしょう。
何故なのでしょうか???
電圧とは、電気を流す圧力のようなもので、電圧が高いほど電気が流れる管が太いイメージです。
200Vタイプの方が、電気をジャンジャン使えるので、100Vタイプよりも早く冷暖房を効かすことが出来ます。
同じ距離を走るのに、車輪が大きな200Vと車輪が小さい100Vでは、100Vの方がより回転させないといけないという訳です。
4.0kwは100Vタイプでもギリギリ対応出来る限界値のため、両方式が存在しています。
あらゆる理由で200V工事を出来ない場合の100V最大サイズとして君臨している訳です。
しかし、ニッチ商品であるためあまり売れません。従って値崩れもしません。
ちなみにビルなどの業務用は三相200Vで家庭用の単相200Vとは異なります。
業務用のエアコンや、モーター等はこの三相200Vで動いているため、家庭用よりパワフルな訳です。
付加機能をよく見て選ぶ
空気清浄や、換気、加湿、自動お掃除など、高級機は色々な負荷機能が搭載されています。
しかも、高級機は省エネ性能が圧倒的に高いのです。
これは、エアコンがトップランナー方式を採用しているためです。
トップランナー方式とは、省エネ基準を策定する際に、現在商品化されている全メーカーの製品から、一番性能が高いもの以上に目標値を定める方式で、その達成率が省エネラベルに書かれています。
省エネであるということは、電気代も安く済むということなので、導入コストはかかりますが、ランニングコストも加味して検討する必要があります。
ただし、付加機能が多すぎる場合は、部品数がその分、増えますので、当然、故障リスクが増加します。
フィルターの自動お掃除機能がもてはやされていますが、掃除機で吸った方が早くて確実なのは言うまでもありません。
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