#12 エアコンの基本 選び方 後編

エアコン・暖房機器

日本という国は、家電製品たちにとって、稀にみる過酷な環境のようです。

四季があり、梅雨があり、高温多湿で雪も降る風土が原因であるからです。

そんな環境の狭い国土に、Panasonic、日立、東芝、三菱という総合家電メーカーに加え、専業のダイキンや、コロナ、富士通ゼネラルに新進気鋭のアイリスオーヤマまでが参戦しています。

ちなみにどのメーカーエアコンも海外ではほぼ見かけません。

ここでも我らが誇るガラパゴス化は着々と進行している!?

店員さんを選ぶのに意味はあるのか?

夏に量販店へ行くと、たくさんの店員さんがエアコンの前にたむろしています。

これは、『ヘルパー』と呼ばれるメーカーが派遣する販売員が激増するからです。

はっきり言って、夏のエアコン売り場は入れ食い状態。

お客はみんな、エアコンが壊れたり、不調で困った状態でお店へ来ているのです。

安くて良いものであれば嬉しいが、早く設置出来るのであれば、何でも良い。という切羽詰まった状態なのです。

このような売り場に、メーカー専属の販売員であるヘルパーを出されると、そのメーカーが圧倒的有利にシェアを広げてしまいます。

それは困る!ということで、身銭を切って各社がこぞってヘルパーを出してしまうという悪習なのです。

量販店側は、人件費が削減出来るのでラッキー!

お客側は、メーカーの専属販売員から直接説明を受けられるのでラッキー?

なのでしょうか??

気になる場合は、ヘルパーの場合、首からメーカー名の入った標識をぶら下げているので、これを見て見分けると良いでしょう。

かといって、量販店の正社員を見つけたところで、各メーカーの製品について、公明正大に説明してくれる訳ではないことを理解しておく必要があります。

ヘルパー同様に、量販店にも都合があります。

メーカーと約束したノルマやリベート対象機種があるため、店員さんも心から勧めたい機種を売り込む訳ではないのです。

少しでも上手く購入したい!

まず、量販店側が売りたい機種=メーカーとリベート等の契約をしている「おすすめ機種」となります。

これは大抵、売りやすいように仕入値も競合量販よりも価格出しされており、お得に購入出来る機種になっています。

ですから、量販店店員さんの言う通りに買うのも◎な訳です。

心配であれば、価格.comなどの比較サイトで、量販店通販価格と比べてみて下さい。

また、同クラス・同ランクの他社製品を並べてみることも重要です。

例えば、2.8kw 再熱除湿付き メーカー内で下から2番目のクラスといった具合で、数社で比較してみます。

メーカー同士も価格競争していますので、自然と似た価格になってきますが、これらと比べて安くなっていれば、相対的に安い=お得な訳です。

あとは、モデルチェンジの在庫処分値を狙うのが一番お得ですが、壊れる前に購入しますので、計画的にご利用下さい。

メーカーのその年のモデル発表頃には、処分が終わっていますので、昨年機種の発売日から10か月ごろを目安にアンテナを張っておく必要があるため大変ですが…

私のお師匠はヘルパーさん

私が勤めていた2000年代は、まだ「マネキン」と呼ばれる人達が多かった時代。

冬から春先は、雛人形や5月人形を販売し、初夏から冬はエアコンなどの家電製品を販売するプロの販売員である。

洞察力と距離の詰め方が上手く、商品知識はなくとも何となく売ってしまう能力者たち。

しかし、酒臭いまま出勤したり、たまに来なかったりと問題児も多かったですね。

このようなプロに比べて、素人はスペックを並べ立てて、売りたい製品の優位性を説明したがります。

しかし、そんな話は一般人には響きません。

逆に迷わせてしまい、一旦保留で家族会議⇒他の量販店に行ってしまうかも。ということになりかねないのです。

プロは、クロージングという「売り切る」能力が大切ですので、そこら辺の機微を見ながら接客する訳です。

このような「マネキン」の販売員とは違い、家電店に常駐して、家電製品しか売らないヘルパーもいました。

私の「販売」のお師匠様もこの常駐タイプのヘルパーさんでした。

紳士的な接客で、スマートに販売してしまうその手腕。

量販店の店員さんとも絶妙な距離感を保ち、製品についても詳しいため頼りにされていました。

常日頃から、顧客との距離感の大切さを私に説いてくれていました。

私は新人研修として、量販店の店舗に1か月位放り込まれたのですが、その際に指導してくれたのがこの方であった訳です。

会社の人間よりも、よっぽど尊敬出来る方で今でも感謝ばかりです。

今でもお師匠様の教えは大切にしています。

エアコンのライバル? セントラルヒーティングって何?

欧米の寒冷地で発展した集中冷暖房設備で、日本では北海道で普及しています。

家全体を暖めるシステムで、学校のボイラー暖房(もうない?)のような設備です。

一つの暖房設備で各部屋を暖めるので、冬でも家の中はどこでも同じ温度になっています♪

気密性の高い石造りの文化でこそ発展した合理的な設備ですが、日本ではほとんど普及していません。

温度管理に関しては、いまだに各部屋にエアコンを設置して「ハイ。終わり」です。

一方、欧米では集中冷房&集中暖房が一般装備のため、エアコンのような局所空調機はあまり出番がありません。

何故か??

私の見解では、家の建築コストが爆上がりするからです。

セントラルヒーティングを実現するためには、各部屋にダクトを通して、集中空調機を入れるスペースも用意しなくてはなりません。

欧米では、当たり前の設備として費用が想定されていますが、日本では高価なオプションとして認識されているため、普及しないのでしょう。

あと数十年は、家の中でフリースを着て、毛布にくるまる冬が続きそうです。

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